ご案内

あるパソコン教室の一ヵ月のスケジュール表を見ると、各講座は、単元ごとに受講時間がさまざまに振り分けられ、自由に選べるようになっていた。スケジュール表は、三カ月先まで決められていた。

一単元の時間は、1時間30分で、それぞれ15分の休憩を間に一日四単元ある。休講日が教室にもよるが一、ニ回あるものの年中無休で、土日も開かれている。
しかし、週末の森暮らしの僕には平日しか選択できない。講座は三教室から自分のペースで選べ、すべて予約制だが変更や取り消しも電話で自由になる。
これなら無理なく自分の予定に合わせることができる。「パソコン教室って、自動車教習所みたいなんですよ」と以前、助っ人Oさんが言った意味をパンフレットを眺めていると、「パソコンを持っていないあなたも!」のキャッチコピーに目が止まった。
「パソコン自習コーナーを無料開放!(予約制)予習、復習に便利です」「おおー、これだ!」と僕は、早くもパソコンに触りたくなっていた。パンフレットの講座と単元を検討したが、教室に通って学習に集中できる時間はせいぜい三時間だとおもった。
受講できる時間を考えると、一日二単元までだろう。それでも通う時間を含むと、五時間近くは取られてしまう。
その日の仕事に合わせ、午前か午後か夜間と、学ぶ時間をまとめて受講すれば何とかやっていける。しかし、学習は集中させた方が身につくはずだ。
僕は、各講座二単元ずつ週二回通うことに決めた。パソコン教室は、新宿にある。
五、六時限のはじまりは18時からで、新宿西口を出て教室に向かうと、高層ビル街から帰宅するサラリーマンで混雑していた。人の流れに逆らう格好になって、久しぶりに歩く雑踏の歩き辛さに戸惑っていた。
森の中を歩くようなわけにはゆかない。対向者を避けようとしないと、よく人に当たってしまう。

動く歩道も、帰宅者のために駅に向かって動いているので使えず、教室に向かうまでに疲れていた。やっとたどり着いたパソコン教室の入口で、飲料水の自動販売機を見てとびついてしまった。
汗を拭き拭き受付嬢に名前を申告すると、すでに僕の名前が登録されているようで、コンピュータのキーボードを叩き確認した。すかさずカウンターに、会員手帳と教科書とチケットがならび、簡単な説明があって教室を指示された。
教室は意外と小さく、定員八名。きょうの受講者は男三名女一名で、全員二○代だろうか?女性講師も若く、20代後半か?
少し気後れして一番うしろの席に座った。

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